カタログをパラパラめくると全体がブラックを基調としたグリーンとブラウンのアースカラーでページが構成されています。表紙、裏表紙に全く日本語表記が無く、近頃珍しいゲームフィッシングの文法に忠実なページ作りがなされています。「田辺哲男」という表記も90ページ中小さな文字で一箇所しか見当たりませんでした。
このストイックともいうべきカタログのデザインこそが田辺さんや古式にのっとった日本のゲームフィッシングのメンタリティーの具現化ともいえるでしょう。
で、今回わたしが特に注目したのがロッドの適合ルアー(または仕掛け)の重さの表記です特にエギングの竿や服部善郎氏とのコラボで去年発表された「伝統名人」などのルアー用では無いロッドのプレゼンテーションの仕方です。
以下、表記の仕方をまとめてみました。
- バスロッド:オンス表記(田辺さん的には当然といえるでしょう)
- トラウトロッド:グラム表記(プラグオンリーだからか他社も大体グラムです)
- ガシラロッド:グラム表記(ミスプリントで7~21オンスってなってましたけど、21オンスは600グラム近いですから(笑))
- メバルロッド:オンス表記(なぜかメバルはオンスです)
- エギングロッド:エギのサイズ「号」表記(グラムで書かれても分かりませんよね)
- ライトな船竿「伝統名人」:錘の重さ「号」表記(エサ釣り用ですからね)
それぞれのロッドについて、例えばどこまでがルアーショップの管轄なのかとか、量販店ではルアーコーナーに置くのか船竿コーナーに置くのかが微妙な問題になってきます。
物理量的な表記の日本の釣りと、強度的バランスからアプローチするルアー的な世界は同じフィールドにありながらも全く次元の違った考え方になります。それがこれらのロッド自体に目をやると、対象魚や釣法別にそれぞれ最適化されているものの、基本的な部分はどの竿もあまり変わりは無く、用途とのインターフェイス的な表記の違いだけのような感じがします。
本来フライフィッシングやルアーゲームというものは純粋に楽しむための手段として、タックルは進化してきました。それが近年の高強度極細PEラインの登場で今まで補助的な錘と天秤が必要だったエギや鯛かぶらなどの漁具系タックルが直結のルアー的使用で可能となり、ルアーゲームと純粋に漁の手段として発展してきた和式の漁具の境目がなくなりつつあります。
ゲームフィッシングとエサ釣りのハイブリット化は新しい時代の幕開けなのか、それとも樹海への入り口なのか!?NORIESの分厚いカタログを観ながら思うのでした。
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