2009年5月23日土曜日

鯛釣り

「釣り」の面白さのひとつに未体験な「もうひとつの釣り方」の経験・・・というのもある。

一種類の魚でも何種類もの釣り方があって、「この魚はこの釣り方でこんなもの」と簡単に理解してしまうのは早合点というものだ。
例えば渓流釣りは「エサ釣り」「テンカラ」「フライ」「ルアー」などに大きく分かれる。
さらに「エサ釣り」でも「川虫」「ミミズ」「イクラ」の釣りではアタリの出方や合わせのタイミング、得意なコンディションなど・・・
きっと釣り人の釣りに対するメンタリティーや魚種までもが違うのではないか!?・・・と思う位大きく感じが違うものなのだ。

「釣り方」には「対象魚」以上に「縁」というか「出会い」みたいなものがある。
例えば何年も「エサ釣り」の渓流をしている人でも「フライ」や「ルアー」はやった事がない!?というか興味がわかないという人が多いのではと。
無理やり悪友に誘われ、道具をあてがわれて、大釣りでもして楽しい体験すれば、そこでやっと手持ちの釣具と全く互換性のない未知の釣りでも踏み込んで行けたりするものかもしれない。

様々な「釣り方」に出合い・・・勇気を出してやってみて釣れるとその新鮮な感触に感動する。
それが知識となって保守的たっだ自分の釣りに対する考えを刷新し、好みやスタイルを再構築し、結局保守的なスタイルを踏襲する事になったとしても、奥深くまた幅広く楽しむ事が出来るようになるのである。
何年も釣りをやっていても、未知の釣り方に出合うと場合によれば驚愕と感動を覚えるし、元々大した事が無い自己の釣りに対する理解や魚の習性の知識などが如何に低いかということを思い知らされる。


・・・で、ここから鯛釣りのお話ね。(笑)

今月10日今年も始まった辰丸主催「鳴門海峡鯛釣大会」にビデオカメラマンとしてお手伝いに行ってきました。
個人的に「鯛釣り」は自他共に認める苦手なジャンルで、お盆時分限定でジギングの対象魚として狙った事があるしもちろん多少は釣った事はあるものの、個人的に自分の釣りの中で記録や記憶ととして留まっている魚は未だ無いと言っていい程。

「鯛釣り」にも様々な釣り方があります。
オキアミで磯釣り・・・とか、鳴門海峡の船のエサ釣りでも季節やコンディションに合わせてムシエサ、エビなどを使い分けたりしますし。イワシの群れが入ってくるとジギングの対象魚にもなって、この時だけわたしの対象魚に。(笑)
産卵のシーズンなどは防波堤からなんとミノーとかでも釣れたりするのも数多く報告されています。

・・・で、ここ数年人気の釣り方が「鯛カブラ」と呼ばれるもの。最近はルアーのタックルを応用した「鯛ラバ」鳴門海峡伝統漁法の「ビシカブラ」さらにエサ釣りのタックルを応用した「ロッドビシカブラ」「天秤カブラ」なんてのもあります。

タックル的にもそれぞれの釣り方に求められるロッドの調子は物理量の違いもあって大きく違います。リールも大きさや糸巻量も様々、手巻きの両軸が基本だが電動リールなんてのも大いにアリ。

この辰丸主催の鯛釣大会、その毎回安定したコンディションにあまり左右されない驚異的な釣果や、船長考案の合理的なルール、そして採点方法など・・・注目点は多数。
釣り方は「ビシヤマ」か「天秤カブラ」がメイン。



今回、朝一番は「旭日丸」で手釣りのビシカブラの様子をメインにカメラを向ける。
オモリがある間隔に打ってあるラインで手釣りをしているのをカメラの向こうに見ているとその釣り人の動作に無駄が無く美しく思える程の手捌き。この釣りの歴史の長さと深さを見る思い。

なぜ「ビシヤマ」か、なぜ「等速直線運動」なのか・・・・・・そしてわたしの「スピニングリール+先調子のロッド」というタックルは過去になぜ釣れなかったのか・・・

辰丸船長との過去の雑談混じりの鯛釣談義と今ここにある釣技が相まって、その思いは深まるばかり。

そして、釣り人としてでなくカメラマンとしての何度かの参加が、なぜ自分の釣りが「鯛釣り」に対して不適なのか、、、というテーマへの自分なりの答えもそう遠くない未来に出してくれそうな予感がするのだが・・・。

きっと知識は自らの無知の確認に留まり、技術や精神性の本質に触れる事も叶わないものなのかもしれないでしょうけど。

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