2008年5月4日日曜日

フローティングレベルワインド

アブの古いベイトリールには「フローティングレベルワインド」という機構がありました。
クラッチを切った時とドラグ作動時にレベルワインドがフリーになる構造で、レベルワインドの抵抗がかなり減る分飛距離が出るという考え方でした。

動作や構造をみてみると案外シンプルで、今の丸型のリールに組み込めそうな感じがします。ま、実際組み込むとなるとパテントなどの問題もあるでしょうけど・・・。

最近のベイトリールでの細糸PE使用の普及で、レベルワインドの抵抗が気になる今、この大昔の技術を少し注目、見直してみても良いかもしれません。

元々、ベイトリールはナイロンの太糸で近距離を精密にキャストをする用途に使われていた歴史があって、かなりの高級機種にあってもレベルワインドの材質や構造には案外無頓着だった様な気がします。
鳴門の遊漁船「つるぎ」の船長から頻発する小型丸型ベイトリールでのPEラインの高切れが、ドラグ作動時で静止しているレベルワインドの抵抗せいかもしれないと聞いた時はなるほどと思ったものでした。

PEラインは発売し始めた頃に比べて近年益々細く強くなっていく傾向で、細いゆえの擦れへの弱さをいかにカバーするかが課題になっています。

比較的大きなベイトリール、例えばダイワの「ブルーバッカー」などは「強制駆動」という構造で、レベルワインドがスプール上でのラインの左右の動きに追随していくものもあります。
これはラインにストレスが掛らないので良いのですが、仕掛け投入やキャスト時にもレベルワインドを駆動させる抵抗が気になる所です。
あと、シマノの「コンクエスト300TypeJ」のように駆動抵抗をかなり減らしているものもあります。ただどれもリールが大きく重いという欠点があります。

現在「真鯛カブラ」用を中心とする細糸PE用ベイトリールの決定版は去年登場し、実釣的にも売り上げ台数的にも実績を上げているシマノの「メタニウムMg」が最右翼と言えるでしょう。

ロープロファイルでスプールからレベルワインドまでの距離があって、さらにテーパーのあるレベルワインドの形状でラインのフリクションが小さく、マグネシウム製のリール本体の自重も170gと非常に軽く、細くて軽い「カブラロッド」とのバランスも良くて、申し分無しのリールです。

ではなぜ今わたしがわざわざ「フローティングレベルワインド」などという少しホコリを被ったような話をしたかというと・・・「丸型でトラディッショナル」なリールに対する思い入れというものがあるから・・・かもしれません。

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